試合会場:福井県営体育館、北陸電力福井体育館
1日目(12月21日(水)) 2日目(12月22日(木)) 3日目(12月23日(金)) 4日目(12月24日(土)) 5日目(12月25日(日))※女子は2日目より競技開始
第5日目(12月25日(日)) ▽決勝 オムロン 35 (15- 9, 20-14) 23 広島メイプルレッズ 戦評 ランニングスコア (オムロンは、7年ぶり9度目の優勝)
第4日目(12月24日(土))
▽準決勝
広島メイプルレッズ 31 (15- 8, 16-16) 24 北國銀行 戦評 ランニングスコア
オムロン 33 (19-13, 14-14) 27 ソニーセミコンダクタ九州 戦評 ランニングスコア
※ランニングスコアは、12/25 13:20に修正しました。
第3日目(12月23日(金)) ▽準々決勝 広島メイプルレッズ 30 (15-13, 15-12) 25 HC岡山 戦評 北國銀行 25 (12- 9, 13-12) 21 HC名古屋 戦評 ソニーセミコンダクタ九州 30 (18- 9, 12-14) 23 武庫川女子大学 戦評 オムロン 35 (16-10, 19- 9) 19 筑波大学 戦評
第2日目(12月22日(木))
▽1回戦
HC岡山 33 (14-18, 14-10) 32 大阪教育大学 戦評
(3-2 延長 2-2)
HC名古屋 26 (12-12, 14-13) 25 福岡教育大学 戦評
武庫川女子大学 24 (11-10, 13- 9) 19 シャトレーゼハンドボールクラブ 戦評
筑波大学 36 (11-12, 16-15) 33 MIE.Violet' IRIS 戦評
(1-0 延一 0-1)
(4-4 延二 4-1)
第5日目(12月25日(日))
▽決 勝
オムロン 35 (15- 9, 20-14) 23 広島メイプルレッズ
「強いオムロン!「鉄壁DF」と「全員力」で女王に!!」
7連覇という新記録に挑戦の広島メイプルレッズと7年ぶりの優勝へと意欲あふれ
るオムロンの決勝戦。ゲーム序盤は、オムロンのDFに「らしさが」見られず広島の
ペースで、9分には6−2。
しかし、燃える黄ヘッドコーチとオムロンセブン。14分には5連取となる許の
「世界のポストプレー」で場内の度肝を抜くポストシュートで逆転。
広島は、呉と金が反撃に転じたいが、退場者がかさんだこととオムロンDFの伏兵・
西本とGK勝田のファイトあふれるプレーに大苦戦。
前半は15−9。広島はどう反撃するか・・・。
反撃の糸口をつかみたいが、後半もオムロンの鉄壁DFと守護神・勝田が金、呉
そして青戸を中心に粘る広島を突き放す。9分には21−11とし、完全にペース
をつかんだオムロンは、どうしてもかみ合わない広島を寄せ付けない。
25分負けられない広島は、呉、大前で25−20としたものの、本来の底力が
発揮できず失速。
オムロンは、ルーキー・久野と西本の頑張りが嬉しい誤算となり、これにつられ
た水野の速攻、佐久川の巧技が更に勢いとなった。結局、35−23でオムロンの
圧勝。静かな福井の街で、訪れた1,100人の観客の心に感動を与える。
オムロンの7年ぶり9度目の優勝に場内は沸いた。
第4日目(12月24日(土))
▽準決勝
広島メイプルレッズ 31 (15- 8, 16-16) 24 北國銀行
「多彩な攻めとスピードで広島メイプルレッズが勝利」
前半1分、メイプルの速攻で試合が動く。北國はその後、速攻、ポストと3連続得
点をあげるが、その後メイプルも追い上げ一進一退のスピーディな試合展開となる。
13分過ぎに北國に退場者が出て、それを機にメイプルは6連続得点で10−4と
リードを広げる。その後、北國は速攻やセンターがサイドへの切り替えしからサイド
シュートを狙うが、メイプルのキーパーの好セーブでなかなかリズムが作れない。
メイプルが着実に加点し、結局7点差で前半終了。
後半開始早々、北國の速攻が決まり、追撃ムードが高まるが、メイプルのディフェ
ンスの寄りが早く北國の攻めの決め手が見えない。これに対し、メイプルは相手のミ
スに乗じ得点を重ねていく。
メイプルはポストプレー、センター、フローターのステップシュートなど多彩なプレ
ーで北國を圧倒した。
時折、北國が見せるサイドシュートや速攻で流れに乗ろうとするが、退場者が続出し
、力を発揮することが出来ず敗退した。
勝負どころでのファウルやミスが最後まで続いた北國に対し、そつのないプレーでメ
イプルの追撃を断ち切った。
オムロン 33 (19-13, 14-14) 27 ソニーセミコンダクタ九州
「オムロンの鉄壁DF健在。オムロンが決勝へ!」
激戦必至のこのゲーム。女王の連覇を阻止に行くのはどちらのチームか。まず、リズ
ムをつかんだのはオムロンで、佐久川のゴールを皮切りに11分までに5−1とリード。
高い壁と抜群の脚力で守るオムロンは、田中、郭で追撃に来るソニーを徹底して跳ね返
す。21分、センター・安心院のシュートでオムロンが14−9とすると、更にオムロ
ンが加速し、前半を19−13で終える。
後半に入ると、ソニーはオムロンの洪をマンツーし、反撃を試みる。しかし、退場者
が続出するソニーに対し、オムロンは3分に23−13と10点リード。このまま、決
まってしまうと思われたが、ソニーは田中、郭、そしてGK飛田で粘り、12分には2
4−20に。
何が起こるか、900人の観客はソニーに期待する。ところが、オムロンの強固なD
Fとソニーの郭が負傷退場したこともあり、27分には33−27とオムロンがゲーム
を決める。結局、33−27でオムロンが勝利。決勝では、女王・広島メイプルレッズ
の7連覇を阻むだろうか。注目したい。厳寒の福井で熱いゲームの予感だ。
第3日目(12月23日(金))
▽準々決勝
広島メイプルレッズ 30 (15-13, 15-12) 25 HC岡山
「国体の3位決定戦で広島メイプルレッズを下したHC岡山。
その勢いをかって、HC岡山の健闘が光ったゲームであった。」
HC岡山の2連続得点でスタートを切ったが、広島メイプルも5連続得点で逆転。
10分過ぎからは両チームのエース、HC岡山の森本と広島メイプルの金が交互に
得点を入れあう展開で一進一退の攻防が続く。25分過ぎ、広島メイプルの金が2
枚目のイエローで退場。ここで広島メイプルの杉本が得点し、リードが4点まで広
がるが、HC岡山も粘り、高橋のポストシュートで前半は広島メイプル2点リード
で終了。
後半の出だし、テンポアップしたHC岡山の速攻から、高木、高橋、野田の3連
続得点で逆転に成功。広島メイプルも石山のポスト、杉本のロングで再逆転。
5分過ぎから20分過ぎまでは両チーム、追いつ追われつの1点を争う展開が続く。
広島メイプルの菅野のシュートでリードを奪った後、HC岡山のエース・森本のロ
ングを完全に防ぎきった広島メイプル。23分以降無得点に終わったHC岡山に対し、
着実に加点した広島メイプルが5点差をつけて勝利した。
最後は試合巧者の広島らしさが勝敗を分ける結果となった。
北國銀行 25 (12- 9, 13-12) 21 HC名古屋
「北國がHC名古屋を跳ね返す」
日本リーグ勢同士の対戦。名古屋はここで白星を収め、リーグ終盤への弾みとし、前
日の勢いを持ち込みたい。その名古屋、中村のポストで先制すると水野、原田の速攻で
4分には3−0とペースをつかむ。
しかし、9分には北國、谷口のポストで3−3に。守る名古屋、ミスのある北國、互
角の展開で17分、5−5。近藤、田代の両GKもさえる。
前半は、北國、井上とGK田代の絶妙な速攻で12−9の北國。
後半も北國・上町、名古屋・原田を軸とした激戦。6分には15−11と北國が優位に
展開。10分には17−12と徐々に北國が「らしさ」を発揮。鋭いDFの詰め、中村の
リードによってゲームは更に北國ペースになり、14分、19−12。
しかし、名古屋は田中監督の熱いベンチワークと全員の力で粘る。22分、秋山の速攻
で16−22とし反撃開始。26分には20−24に。劇的なラストを迎えるかとも思わ
れたが、北國ベンチと司令塔・中村に焦りはなく25−21。北國銀行が勝利した。
名古屋は原田、水野を中心とした戦いで健闘し、今後の光明を見出した。
ソニーセミコンダクタ九州 30 (18- 9, 12-14) 23 武庫川女子大学
「ソニーが攻守に安定感」
武庫川女子大、5番・宮本の連続ポストシュートで動き出した試合は、5分過ぎまで
3−1と武庫川のペース。しかし、ソニーがディフェンスを固め相手のミスを誘い、速
攻で得点を決めだすと流れはソニーに。オフェンスも9番・高栖のポスト、5番・田中
のミドルなどで多彩な攻撃を見せるソニーが一気にスパート。必死に守る武庫川女子大
、5番・宮本、3番・伊藤の連続退場があり、なかなかペースを取り戻せない苦しい展
開に。余裕の選手起用のソニーが前半18−9で終了。
後半に入り、宮本、伊藤のロングに加え、14番・藤長の速攻で互角の試合運びで勝
利を確実にし、準決勝進出。
学生チャンピオンの意地を見せる婿が話題の検討が印象的なゲームであった。
オムロン 35 (16-10, 19- 9) 19 筑波大学
「オムロンの壁、筑波大には崩されず」
日本リーグも今大会も頂点を目指すオムロンと前日に死闘を制した筑波大の対戦は筑波
・下地がいきなり7mtをシャットアウトする波乱含みの幕開け。筑波はGK下地の好守も
あり、序盤は互角の戦いとなるが、12分には佐久川・洪の2本連続スカイプレーのシュー
トで6−2とオムロンリード。オムロンが、許、洪、坂元を中心とする固い守りで一気に突
っ走るかと思われたが、筑波はセンター・樋口と「忍者」柴田を軸に粘る。苦しい前半を1
0−16で終えた。
後半、諦めない筑波はやはり樋口のセンス抜群のリードで徹底抗戦。オムロンの壁に真っ
向勝負するCPをGK下地が好守で勇気付ける。しかし、エンジンのかかったオムロンは7
分には坂元のシュートで21−11と10点差。筑波も樋口を中心に粘り、これ以上放さな
い戦いで17分、25−14。オムロンも無理をせず、24分30−17。
結局、筑波はエース・石立で加点が出来ず35−19で敗れた。7年ぶりの王者奪還を目
指すオムロンが、まず、1つ階段を昇った。
第2日目(12月22日(木))
▽1回戦
HC岡山 33 (14-18, 14-10) 32 大阪教育大学
(3-2 延長 2-2)
「HC岡山が意地を見せる」
地元岡山国体で3位に入賞したHC岡山に対し、初めてインカレで決勝まで進
出し、勢いに乗る大教大が挑む。HC岡山、3番・森本の7mスローでゲームは
始まった。
序盤は、お互いの持ち味を生かした展開で、一進一退の攻防になった。
しかし、退場を機に大教大が速攻で点差を広げる。前半終了間際に、大教大キャ
プテン・野路のランニングシュートが決まり前半を18−14、大教大4点リー
ドで折り返す。
後半は、野路の個人技でスタートし、後半も大教大ペースで行くかと思われた
が、国体3位のHC岡山が意地を見せ、徐々に得点差を詰めていき残り5分で
逆転に成功するが、大教大エース植垣のシュートで追いつき、その後は一進一退
の攻防が続き、28−28で延長戦へと突入した。
延長に入ってからも、互角の戦いが行われていたが、大教大、13番大城が退
場となり、HC岡山、6番・富田、8番・指野のコンビで得点を取り、1点差で
勝利を収めた。
最後まで目が離せない集中力のあるすばらしい戦いとなった。
HC名古屋 26 (12-12, 14-13) 25 福岡教育大学
「全員ハンドの福教大。HC名古屋に惜しくも敗れる」
日本リーグ加盟のHC名古屋が、大学の強豪・福岡教育大学の挑戦を受ける。
名古屋は意地を見せたい大会の初戦となる。ゲーム開始直後、寒さのせいか思う
ように両チームの足が動かない。4分になり、福岡教育大の池田がようやくゴー
ルを決めると、ゲームは動き出す。名古屋は水野、福岡教育大は池田を軸に一進
一退。前半は12−12。
後半、福岡教育大はポストをからめたOFと全員の走りでペースをつかむと9
分までに3点のリード。なかなか本来の良さの出せない名古屋も苦しみながら必
死のゲーム。そして、後半の転機が訪れる。
19分菅谷(美)をDFに投入し、DFシフトを変え勝負に行った。名古屋・
田中監督の采配は的中し、26分についに25−24と逆転。
このメンバーでひとつでも多くゲームをしたい福岡教育大だったが、ラスト20
秒、名古屋の原田が闘志あふれる決勝ゴールを決め熱戦は終わった。
池田監督と福岡教育大セブンの戦いは場内を大いに盛り上げた。
武庫川女子大学 24 (11-10, 13- 9) 19 シャトレーゼハンドボールクラブ
「スピードの武庫川女子大とテクニックのシャトレーゼの対戦は武庫川女子大の勝利」
武庫川女子大のスローオフで始まった前半、早いパス回しで武庫川女子大がリー
ドを奪う。シャトレーゼは、武庫川女子大の堅いDFを攻めあぐみ、5分に初得点
を挙げ、8分から12分まで両チーム得点を挙げることが出来なかったが、シャト
レーゼ・7番稲吉のステップシュートで3−3の同点に追いつく。
その後、一進一退の攻防が続く。25分過ぎ、武庫川女子大は連続速攻で10−
5と引き離す。27分武庫川女子大10番吉田の退場の間にシャトレーゼは5番篠
原のシュートなどで11−10と1点差に追いつき終わる。
後半、シャトレーゼ11番藤浦のポストシュートが連続で決まり、シャトレーゼ
が12−11とリード。その後、両チーム好守が見られ、24−19で武庫川女子
大が勝利した。
筑波大学 36 (11-12, 16-15) 33 MIE.Violet' IRIS
(1-0 延一 0-1)
(4-4 延二 4-1)
「大熱戦、勝利の女神は筑波大に」
日本リーグ勢と互角の力を持ち、チームは上昇機運に乗っている三重バイオレット
・アイリス。これに対するのは学生会屈指の強豪・筑波大学。注目の好カードは序盤
から見応えのある激しいゲームとなった。
MVIは太田、伏見らが、ゲームをメイク。筑波大は樋口、石立、山下らでこれに
応戦。14分で5対5と全くの互角。その後、17分に8対5と筑波が抜け出すかに
思われたが、退場者がかさみ苦しいMVIの粘りが光り、再び逆転。MVIが12対
11とリードして前半を終える。
後半、MVIが優位にゲームを進めるが、激しい勝利への執念のぶつかり合いは決
着がつかず延長戦へ。エース石立が3度目の退場で失格し、苦しい筑波大だが、樋口
のリード、柴田のポストで対応。橋本(MVI)と下地(筑波大)の両GKの再三の
好守もあり、第二延長にもつれ込む。
第二延長、筑波の高いDFが勢いを増す。大熱戦のピリオドは、筑波のGK下地の
超ロングシュートだった。どちらが勝ってもおかしくない素晴らしいゲーム。
寒さに負けず、「手に汗握った」