平成24年度 第64回全日本総合ハンドボール選手権大会 <女子の部>

戦評

1日目(12月20日)   2日目(12月21日)   3日目(12月22日)   最終日(12月23日)   勝ち上がり表

最終順位
 
    優勝:オムロン   2位:北國銀行   3位:広島メイプルレッズ・ソニーセミコンダクタ

最終日:12月23日(日)

決勝

オムロン 20 ( 9- 9, 11-10) 19 北國銀行     スコアシート
 前半開始早々、オムロンは勝連のサイドシュートで得点すると、北國銀行も直後に上町がミドルシュートを突き刺し、激しい点の取り合いになるかと思われた。しかし、その後両チームGKのファインセーブもあり、一転ロースコアのゲーム展開となって、前半は9−9で終えた。
 後半も15分過ぎまで1点を争う一進一退の展開が続いたが、オムロンは稲葉の好配球から藤井、東濱が加点し、守っては金を中心とした堅いディフェンスで徐々に点差を広げた。北國銀行も25分過ぎから速攻で3点連取し1点差に追い上げ、残り30秒でチームタイムアウトを取り、最後の攻撃に望みを掛けた。しかし、気迫のこもったオムロンディフェンスの前にシュートが打てず、タイムアップを迎えた。20−19の1点差でオムロンが2連覇を飾った。

3日目:12月22日(土)

準決勝

オムロン 30 (14-12, 12-14) 29 広島メイプルレッズ    スコアシート
 立ち上がり両チーム硬さからか膠着状態であったが、10分にメイプルが5−2とした。メイプルは15番高山のポスト、オムロンは5番巻が得点を決め、一進一退の展開であったが、オムロンは19分に3連続得点で8−8の同点とした。その後、メイプルは7番宋、オムロンは7番藤井、17番東濱が得点を重ね、14−12とオムロンがリードで前半を終えた。
 後半、メイプルは7番宋のステップシュートなどで得点し、6分過ぎに16−16の同点とした。オムロンは、メイプル7番宋にマンツーマンDFで対応し、22番金のポストシュートなどで4連続得点し23−21と逆転した。しかし、メイプルは5番大前、15番高山が得点し28分に25−25と再び追いつき、結局26−26で延長戦に突入した。
 延長戦は、オムロン7番藤井、17番東濱、メイプル7番宋が得点し、一進一退の攻防を繰り広げ、最終的に30−29でオムロンが勝利した。両チームとも実力を出し切った、白熱した試合であった。
北國銀行 23 (10- 6, 13-11) 17 ソニーセミコンダクタ     スコアシート
 延長までもつれた第1試合の熱気の余韻の中、ソニーのスローオフで前半スタート。
 両チームとも実力あるGKを中心にしっかりと守り、速攻に転ずる展開となった。立ち上がりソニーは速攻で内富が決めれば、北國・若松が決め返す。セットの攻撃では、ソニー・石井がループでサイドシュートを決めれば、北國・横嶋もサイドシュートを決める。前半11分頃から、北國のセットプレーが決まり出し、リードを拡げて10−6とした。
 後半、反撃に転じたいソニーだったが、逆に北國に走られて更にリードを拡げられた。後半19分過ぎに北國が二人退場してから、ソニーは高橋のカットインシュート、黒木の速攻で反撃するが、差は縮まらず北國銀行が決勝にコマを進めた。

2日目:12月21日(金)

準々決勝

オムロン 26 (15- 3, 11- 9) 12 東海大学     スコアシート
 東海大のスローオフで試合が始まる。
 オムロン・藤井のミドル、東濱のカットインで2点先取、オムロンの堅い守りから相手ミスを誘い、リードを拡げる。前半10分で東海大にイエローカードが3枚出て6点差がついた。東海大も素早いパスからサイドシュートを打つが、GKのファインセーブに阻まれる。東海大深田がミドルシュートを決めるが、力の差が大きく、前半15−3と大差がついた。
 後半開始早々、東海大・深田のミドルシュートなどで2得点したが、オムロン・澤田のサイドシュートや速攻でリードを拡げた。東海大は川村のミドルシュートなどで、後半粘り強く点を重ねたが前半の差が大きかった。オムロンのミスも多かったが、GK藤間の好セーブが光った試合だった。
広島メイプルレッズ 39 (19-14, 20-14) 28 大阪教育大学     スコアシート
 広島のスローオフで試合が始まる。
 大教大・乾のミドル、広島・増田のミドルで試合が始まり、序盤は点の取り合いとなった。点差がついたのは10分過ぎで、広島・高山のポスト、新城のシュートなどが決まり、広島ペースとなってきた。大教大はGK板野の好セーブや乾のミドルなどで粘り強く点を重ねたが、5点差で前半終了。
 後半の立ち上がりは、両チームシュートミスが続き、大教大・築山のポスト、広島・宋のミドルで点が動き出した。中盤では両チームとも点の取り合いになったが、ミスの少ない広島が前半5点リードを少しずつ拡げていった。終盤、大教大・平良のミドルシュートなどで点を取ったが、差は縮まらないまま終わった。
ソニーセミコンダクタ 22 (11- 8, 11- 9) 17 大阪体育大学     スコアシート
 アグレッシブなディフェンスから速攻が持ち味の両チーム。
 大体大は河田、角南(唯)のロングシュート、ソニーは田中の巧みなパスワークから山田(梨)のポスト、高橋のサイドシュート、内富のロングシュートで攻撃する。両チームとも良く足が動き、前半20分7−7の一進一退の攻防が続く。前半25分ソニーがチームタイムアウトを取り大体大・河田に対するプレス気味のディフェンスを取る。変則的なディフェンスが機能し、ソニーのリズムで前半11−8で終了する。
 後半、大体大のポストを絡めた攻撃で、ソニーは後半10分までに3人の退場者を出す。その間に河田のロングシュートなどで大体大が追い上げ、後半15分に14−14の同点とする。しかしソニーGK飛田の好セーブにより、リードを奪えず、後半20分16−16と拮抗したゲームが続く。ラスト10分ソニーは田中、高橋の得点により大体大を突き放し、22−17で大体大に勝利する。ソニー田中の要所での活躍と大体大の健闘が光るゲームであった。
北國銀行 23 (10- 5, 13- 7) 12 香川銀行T・H     スコアシート
本大会2試合目となる香川銀行は、立ち上がりから3点連取し、リズムに乗るかと思われたが、8分過ぎに北國銀行に初得点を許すと、ディフェンスの足が止まり、たちまち連続失点で逆転を許した。途中北國銀行が一人退場となるが、香川銀行はそのチャンスを活かしきれず、5点差で前半を終えた。
 後半も北國銀行は上町の好配球からポスト、サイドと得点を重ね、点差を広げた。香川銀行も筑後の展開力を中心に良く反撃したが、GKも含めた北國銀行のディフェンス力の前に屈した。両チームともクイックスタートを多用し、反則も少ないスピーディーな好ゲームであった。

1日目:12月20日(木)

1回戦

東海大学 25 (15-13, 10-10) 23 HC高山     スコアシート
 HC高山のスローオフで試合開始。
 両チームとも最初の攻撃は得点にならず、硬い立ち上がり。東海大4番諸岡のサイドからのパスカットで速攻に持ち込み1点目。続けて東海大17番川村のサイドシュートで連取。HC高山も8番東のサイドシュートで反撃。東海大はセンター川村を中心に、HC高山は7番立野を中心に得点し、一進一退の展開でゲームが進み、前半は15−13東海大2点リードで終了。
 後半、HC高山の8番東の速攻で1点差と迫るが、得点が両チームに入らず、硬直状態が暫く続く。HC高山2番柴田が退場の間に東海大が得点し、3点差をつけ突き放しにかかるが、HC高山4番中村が小柄ながらステップシュート、速攻と活躍し、食らいつく。終盤、1点差に迫る速攻を東海大GK林がナイスキープし、HC高山に流れを渡さなかった。東海大は前半のリードを守り勝利した。
大阪教育大学 30 (11-13, 19-15) 28 三重バイオレットアイリス     スコアシート
 全日本インカレ優勝の地元大阪教育大学のスローオフで前半スタート。
 クイックスタートなどスピードを活かして攻める大教大だったが、ミスでパスが上手く回らずペースを掴めない。三重バイオレットはGK毛利の堅守、コートプレーヤー6名とも声と足でしっかり守り、早船のカットインなどでペースを掴む。対して大教大は高宮のカットイン、倉谷の速攻などオフェンスが良くなる。スピードある大教大オフェンスに対して三重バイオレットは退場者を出して5名で攻撃時も、フォーメーションでの早船のサイドシュートや技ありのフェイントからのシュートなど、三重バイオレットが2点リードの13−11で前半を終了した。
 後半、三重バイオレットは早船のフェイント、ミドルシュートや阿久田のロングシュートなどで得点、大教大は堀川のポストシュートなどで追い上げて、16分過ぎに同点に追いついた。しかし、三重バイオレットは漆畑のポストシュート、小稲の速攻が決まり、再びリードし24−22となる。大教大はタイムアウトから倉谷のサイドシュートなど3連取し22分に逆転に成功した。三重バイオレットもタイムアウトを取り、反撃に出るが地元大教大が30−28で勝利した。
大阪体育大学 29 (12-12, 17- 8) 20 HC名古屋     スコアシート
 HC名古屋のスローオフで前半開始。
 名古屋のポストプレーが大体大の反則を誘い、6番鈴木の7mTで先制するも大体大もポストを効果的に使い3番河田の7mTや18番角南(涼)のポストシュートなどで反撃。どちらも流れを掴めない中、大体大は名古屋の18番戸塚の退場をきっかけに3番河田のカットインやロングシュートなどで突き放しにかかるが、名古屋も大体大の退場から3番伊藤のサイドシュート、4番福井のロングシュートで同点に追いつき12−12で前半が終了。
 後半、大体大は5番大山の速攻や3番河田のロングシュートなどで3点差に拡げるも、名古屋は19番金塚のサイドシュートなどで1点差に縮める。しかし、大体大は堅いディフェンスからの速攻などで4連取し5点差に拡げると、更に5連取するなど名古屋を大きく突き放し、29−20で勝利を収めた。
香川銀行T・H 23 (12-10, 11-12) 22 東京女子体育大学     スコアシート
 女子1回戦で両チームとも硬さの見える滑り出しであったが、2分30秒東女体5番松尾が、押されながらもミドルシュートを決め先制をした。その後、東女体が再三チャンスを作るが、香川銀行GKの好守で得点を阻まれる。東女体の巧守になかなか得点を挙げられなかった香川銀行も7分過ぎに7mTを2番岡田がきっちりと決め同点に追いついた。両チームとも堅い守りとGKの好守により、一進一退の攻防を繰り返したが、18分過ぎより東女体が連続3得点を挙げリード。たまらず香川銀行がタイムアウトを取り、その後相手ミスを逃さず、3連続得点を挙げ再び同点に。28分香川銀行は10番土井の退場を乗り切り、前半を12−10で折り返した。
 後半、東女体は6分過ぎに同点に追いつき、7分30秒に7mTで逆転、しかし香川銀行もすかさず6番中久保の連続3得点で再びリードを2点に拡げる。東女体も一歩も引かず、5番松尾を中心に香川銀行に食い下がった。19分30秒東女体7番筑後の退場を逃さず攻め、香川銀行が2点差を守る。香川銀行は6番中久保が退場するも、それを凌ぎリードを守った。1点差にした東女体は終了12秒前に渾身のスカイプレーで同点を狙うが、GKの好守でその望みを絶たれた。東女体・松尾のすばらしいプレーが目立ったが、香川銀行が実業団の意地を見せ逃げ切った。

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