<第50回 全日本総合 戦評>


 <12月26日(土) 最終日(第4日目)>


男子・決勝

  本田技研 28 (14-11, 14-13) 24 湧永製薬

 男子決勝は、本田技研のスローオフで始まり、先制は湧永・
中山からパスを受けた山口の左サイドシュート。すかさず、1
分半、本田・池辺、空中戦を制し、1点差を返す。その後は5
対5まで双方1点ずつの取り合いが続く。11分、本田・スト
ックラン、妙技のクイックシュート、12分、佐々木の滞空時
間の長いサイドシュートで2点差とするところから、少しずつ
本田優勢の試合展開となる。湧永は中山の高い打点からのシュ
ートを中心に杉山のポスト、それに速攻をからめる。一方、本
田はストックラン、ヴォルの高さのディフェンス、高さのオフ
ェンスを中心に攻守に冴えを見せる。本田は、ストックランを
キーマンに着々と得点を重ね、湧永・中山のシュートも決まる
ものの、点差はなかなか縮まらず、3点差で前半を終了。
 後半の先制は、本田。ヴォルからパスを受けた広政が空いた
サイドから決める。すかさず、湧永・中山、上からのシュート
を決める。本田は、後半もストックラン、ヴォルの上からのシ
ュートと、池辺、広政のポストシュートを中心に着実に加点。
湧永は攻めるがなかなか差が縮まらない。残り3分で中山は3
本のシュートを外すが、本田は両外国人が着々と加点。残り1
0秒で本田は2名が退場となるが、大勢は変わらず、残り0秒
、湧永・中山の最後のシュートも惜しくも外れて、試合終了。
本田技研の優勝で、本大会は幕を閉じた。


女子・決勝

 オムロン 27 (14- 7, 13- 4) 11 日立栃木

 女子決勝は、日立のスローオフ。前半開始後、しばらく、日
立はオムロンの高さに、オムロンは日立のキーパーの好セーブ
に阻まれ、ともになかなか得点できない。先制は4分にオムロ
ン・後藤がフェイントで持ち込む。6分、7分とこぼれ球でオ
ムロン加点。8分、ようやく、日立・中村、カットインで初得
点。オムロンは、主将・宮本の高い打点からのロングシュート
を中心に速攻をからめ着々と加点。一方、日立はオムロン・陳
と後藤を中心とする高さと幅のディフェンスに阻まれ、シュー
トすることもままならない状態。14対7でオムロン優勢のう
ちに前半終了。

 後半も先制は、オムロンで宮本。その後、林のサイドシュー
ト、高橋のロング、杉原の速攻とサイド、宮本7Mと連続6得
点で、オムロン早くも日立を突き放しにかかる。日立、ようや
く12分松本が切れ込んで1点を返すが、日立はなかなかシュ
ートまで行けない。「上」からのシュートが少なく、ポストも
徹底してつぶされ、キーパーに好セーブされては手も足も出な
いといったところ。13分から19分にかけて、オムロンまた
もポスト、7M、速攻、ロングと縦横に走り回って加点を続け
る。22分日立・松本の上からのシュート、25分に沖土居の
7M成功が精一杯の反撃であった。オムロンは、更に攻撃の手
をゆるめず、28分高橋から後藤に渡ったパスでポストシュー
ト。残り10秒で高橋のダメ押しがあり、オムロンが日立栃木
を圧倒し、試合終了となった。


 <12月25日(金) 第3日目>


男子・準決勝

  湧永製薬  17 ( 6- 7, 11- 6) 13 中村荷役

 湧永のスローオフで開始早々の37秒、湧永・田場が先制ゴ
ール。続いて、中山、再び田場で3点リード。中村は湧永の堅
守に阻まれるが、ようやく7分55秒斉藤に渡ったボールが振
り向きざまのシュートで1点が返される。湧永・中山、こぼれ
球をころがし得点。12分50秒、中村・斉藤、中山が飛び出
したところをカットインで得点。中村・野村、7MTを決めて
、2点差に追い上げる。その後、しばらくは双方とも攻撃権の
やりとりだったが、21分中村の野村、早いパス回しからのラ
ンニングシュートを決める。すぐさま、湧永、山口のループシ
ュートで応酬。27分中村の阿部、空中戦で1点差に追いつく。
湧永のパスミスをカットした西村が独走で同点に。終了5秒前、
中村の呉、執念のシュートで1点リードし、そのまま前半終了。

  後半、1分50秒、中村の呉、フェイントで得点。すぐさま、
湧永・田場、右サイドを決める。その後、再三の中村のシュー
トをキーパー坪根はしのぐ。5分から双方、点の取り合いで1
1対11のまま進むが、17分守備に帰り遅れた湧永のスキを
突き、中村の西村が速攻で加点するが、湧永・中山から山口へ
のパス、シュートで同点。19分、20分と湧永・田場が鋭く
切れ込み2点リード。22分湧永・森山で3点リード。23分
中村の趙が1点を返すが、湧永その後も加点。中村、連続して
シュートを放つもキーパー坪根、よくしのぎ、29分25秒湧
永・田場、だめ押しの1点で17対13とし、中村の趙、斉藤
が続けてシュートするが、決まらず、試合終了。


  本田技研  30 (14-11, 16-12) 23 大同特殊鋼

 大同のスローオフで始まった準決勝第2試合は、10分まで
にストックランのカットイン、ミドル、ランニングシュートな
どで5得点。対する大同は、末岡のサイド、PTで2得点。そ
の後、取っては、取られる展開から25分大同・南川が退場。
この時、得たPTとパワープレーのチャンスをヴォルが決め、
27分14−9と本田が5点のリードを奪う。しかし、大同は
、末岡、市原の速攻で2連取、3点差として前半を終える。

 後半、開始16秒、大同・藤井が退場。しかし、このピンチ
をよくしのぎ、追撃に移る。一方、本田は、4分から10分ま
でにストックランの4連取。たまらず、大同は富本にマンツー
マンの指示。これに対し、本田はヴォルと加藤が広くなったデ
ィフェンスを攻める。この間、大同は12分から20分までノ
ーゴール。タイムアウトを取るなど立て直しをはかるが、21
分25−20と5点差と追いすがるのが精一杯。終わってみれ
ば、30−23と本田の快勝であった。
 しかし、、ラスト10分を切ってからのストックラン(本田)
、藤井(大同)の同時退場など、ややラフな所の見られるゲーム
であった。


女子・準決勝

 オムロン    28 (11- 8, 17-14) 22 イズミ

  オムロンのスローオフで開始した前半、1分39分にイズミ・
林が先制。2分47秒オムロン・田口が切れ込んでシュートを決
める。このあと15分ころまで、双方1点づつ取り合い、お互い
譲らず両軍ともスピードある攻守。イズミ・主将・青戸の見事な
サイドシュート、広瀬の7MT成功、オムロン・田口の鋭いシュ
ート等、見ごたえある試合。また、双方のキーパーの好守も再三
である。しかし、双方ともパスをインターセプトされることが目
立った。イズミの林には、去年までのキレが今ひとつみられない。
呉との連携ももう一つである。林のシュートも3本連続で外れた。
イズミ・呉にオムロン・高橋がぴったりマンツーマン。
イズミが得点を挙げても、すかさずオムロンは返し、前半を3点
差でオムロン優勢のうちに終了。

  後半、まずオムロン・田口が本日5点目をあげるサイドシュー
トで始まる。5分、イズミ・呉、7Mで見事な一回転シュートを
決め、続いて、インターセプトの球を青戸が押し込み、1点差。
キーパー阪野の好守からの速攻で呉がシュートを決め、同点に追
いつく。しかし、オムロン・後藤のポストシュートが決まり出し
、じりじりとオムロンがイズミを引き離し出す。双方、退場者が
続出し、4:6,4:5,5:5の試合となったりした。
残り5分で4〜5点差は容易に縮まらず、イズミ・林のシュート
も次第に決まり出すが、最終5秒、オムロン・高橋がダメ押しの
1点を入れ、6点差として、昨年の覇者・イズミを倒した。


 日立栃木   29 (10-10, 19-11) 21 立山アルミ

  前半、立ち上がりは立山アルミ・中塚のロングシュート、新屋
のポストなどで、3点を連取し、立山ペースで始まる。しかし、
日立栃木も粘り強いディフェンスから徐々に得点を重ね、18分
同点とする。その後、立山・鏡森のミドル、日立・面のサイドシ
ュートなど一進一退の攻防がつづき、前半10対10の同点で折
り返す。

  後半、開始直後、日立栃木は1人退場するものの。前半に続き
粘り強いディフェンスでその場をこらえ、松本、沖土居のミドル、
伊佐保のカットインプレーでリードを広げるが、立山もディフェ
ンスからの速攻や中塚のカットインで1点差まで追い上げる。
しかし、終始、積極的なディフェンスにより立山のミスを誘い、
速攻、セットプレーなどでリードを広げていった。攻守とも、自
力に勝る日立栃木のリズムで試合は展開され、8点差で勝利した。


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