<機関誌2010年9月号巻頭言>


「マスターズハンドボール 発展と分化、そして課題」



          (財)日本ハンドボール協会参事・マスターズ専門委員会委員長 小山 哲央 


 


 思い返しますと平成5年8月、豊田市で全日本教職員大会が愛知国体のリハーサル大会
として開催された折に、全日本マスターズが産声を上げました。第1回大会は男女で9チ
ーム、第2回は僅かに6チームの参加で継続が危ぶまれましたが、多くの仲間の協力で今
日の規模に育ってまいりました。

 今年度、第18回大会は、男女合わせて69チームが参加し、これまで3年連続愛知県豊田
市で開催されました。同じく豊田市で開催された第10回記念大会は、34チームの参加でし
たので8年間で大会規模が倍増したことになります。

 第1回から続けてきました懇親会も、第16回大会では 600人以上の選手・役員が参加し、
身動きが出来ないほどでした。加えて第2回大会から行ってきましたイベント「親と子の
ふれあいタイム」も、昨年から「60歳以上の皆さんと子供たちとのふれあいタイム」(仮
称)に衣替えをしました。60歳以上の参加選手65名に交じって、豊田市内のスポーツ好き
高齢者とそのお孫さんも大勢参加しハンドボールを楽しみました。今年度はこの中から、
ボランティアで10名以上の方が手を挙げてオフィシャルを務めて下さいました。

 このようなボランティアの皆様方の参加は、「全て参加者の手作りで」を基本理念とす
る大会趣旨を、より一層鮮明にしてくださいました。

 今後は現役マスターズハンドボーラーに加えて、マスターズ予備軍となる世代が控えて
いるので、規模は最大 100チームまで拡大すると考えております。そのために1つの地域
で少なくとも10コートが必要となり、非常に厳しい条件になります。そこで、今後マスタ
ーズハンドボールを発展させるためには、分化を試み、再構築する必要があります。その
ためには少なくとも以下の3つの課題を克服しなければなりません。

 <課題1>ブロックマスターズの普及と充実
  (1)都道府県協会にそれぞれ有資格チーム(個人も含む)が複数登録すること
  (2)総合型地域スポーツクラブを視野に入れた市区町村型チームの結成

 <課題2>全日本マスターズの発展と分化
  (1)全日本順位決定型マスターズの開催
  (2)(財)日本体育協会主催の日本スポーツマスターズヘ参入
  (3)全日本交流型マスターズの開催
    a)現行のマスターズの継続
    b)個人参加型年齢別マスターズの開催
    c)ファミリー参加型マスターズの開催
    d)11人制ハンドボールの開催

 <課題3>専用ホームページを開設し普及及び広報活動の多様化を図る

 マスターズ委員会といたしましては以上の3つの課題に取り組んで行こうと考えており
ます。全国ブロック協会、都道府県協会、市区町村鬘協会、更に全国のハンドボールの愛
好者の皆様のご協力なくしてはマスターズの発展はありません。応援宜しくお願いいたし
ます。これまでの参加者の皆様には、手作り大会に更なるご支援とご協力をお願いいたし
ます。



  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2010年9月号より転載