<機関誌2011年6・7月号巻頭言>


「常務理事就任にあたっての抱負」



                (財)日本ハンドボール協会常務理事     藤森 徹 


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 今年度から日本協会の理事会体制が新たな体制で始動しました。常務理事を拝命し、重
責を担う立場として抱負を述べさせていただきます。

 すでに日本協会のホームページには23年度の事業計画、事業達成のための組織図が公開
されております。組織図の示すとおり、マーケティング本部の副本部長、総務本部の副本
部長として川上マーケティング本部長、大橋総務本部長をマトリックス的に補佐し、協会
の各事業目的の達成のため努力をして参ります。

 マーケティングに関しましては、平成21年、22年度と協会のマーケティング委員会に参
事として参画いたしました。その活動の中で、日本のハンドボールの認知度を上げ、潜在
的に存在するバリューを高め、一般ファンの競技大会への観戦、集客の必要性を強く感じ
ました。特に、ハンドボールの持つ魅力、バリューとは何かについて深く考えさせられま
した。先人の協会役員、地域協会、全国各種連盟、普及委員会のこれまでのたゆまぬ努力
で、小学生、中学生、高体連、学連、社会人、マスターズ、車椅子、ビーチハンドボール
と10万人を優に越えるハンドボーラーが日本協会を軸として活動しています。ハンドボー
ルは自分で参加すると本当に面白いスポーツと言う事は実証されており、この事はハンド
ボールの大きな高い価値と考えられます。

 又、日本リーグプレーオフ、ジャパンカップ、国体、全日本総合と国内で開催されるメ
ジャー大会の観戦に訪れた方々はロをそろえて、ハンドボールは見て面白く、感激したと
の評価を受けます。これもダイナミックな競技として、ハンドボールの持つ高い価値であ
ると思います。ポイントは如何に多くの会場観戦客、メディアでのファンを集客し、認知
度を上げるかです。

 次に、世界、アジアにおける日本のハンドボールのバリューについて考えて見ます。オ
リンピックへの出場実績を鑑みますと、日本は1988年のソウルオリンピックに男子の日本
代表チームが参加して以来、予選敗退で出場が叶わず、残念ながら世界レベルで見た日本
のハンドボールのバリューは決して高いものではありません。次期ロンドンオリンピック
への出場こそが日本のハンドボールのバリューアップ飛躍の原動力と考えられ、協会の総
力は“日本代表チームの強化”にベクトルが向けられています。

 このような現況に在って、マーケティング本部として、広報部との連携の下、あらゆる
ジャンルの方々に働きかけ、シンパ、サポーターの動員・宣伝活動を展開し、ハンドボー
ルの認知度、バリューの向上に邁進いたしたいと思います。又、日本はリーマンショック
後の経済の低迷、今回の未曾有の大震災、津波、二次災害としての原発事故と経済的には
大変厳しい状況にありますが、界友会という貴重なネットワークと日本協会マーケティン
グ本部との連携の中、ハンドボールの認知度の向上、バリューアップ、メジャー化を目指
して揮身の努力を注ぎます。

 総務部の役割に関しましては、平成23年度の総務部の主事業計画目標となっています公
益財団法人への移行プロジェクトを担当いたします。平成20年12月に公益法人制度改革に
係る整備を含む税制改正法が施行され、平成25年11月末日までに公益法人認定申請を施さ
ないと、日本協会(現在は特例民法法人として見なされている)は現状のままでは存続で
きません。公益認定を受けることによって、財団事業運営のガバナンス機構がより明確化
され、公益目的事業から得られる収益に対する非課税化、寄附行為に対する優遇措置とボ
ランティアと非営利活動を実施している協会にとっては税制面でも多大なメリットが得ら
れます。移行認定申請業務を開始し、認定・許可、新公益法人の移行登記までには最低1
年もの時間と膨大な申請業務が必要になります。評議員、理事、監事の方々のご理解とご
協力の下、遅滞無い認定申請と、認可取得を図りたいと思います。

 以上、マーケティング任務、総務関連任務について抱負を述べましたが、全て、日本の
ハンドボールが如何に向上、世界に伍すべく成長するための必要な活動と認識しています。
全国のハンドボール各連盟、都道府県協会の役員の方々、ブロック役員の方々により一層
のご協力を賜り、日本のハンドボールの発展に寄与したいと考えます。



  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2011年6・7月号より転載