<NTS2002 コーチングビデオおよびテキスト製作について>


                            NTSコーディネーター 栗山 雅倫

【はじめに】

 今回は「GKトレーニング全般、CP基礎戦術能力」に関して、ビデオ・教本を作成い たしました。概要は以下のとおりです。  作成にあたりまして、ビデオのデモンストレーターとしてご活躍いただいた「東海 ハンドボールスクール」「春日井中部中学校ハンドボール部」「松蔭高等学校ハンド ボール部」の皆々様、ならびに教本に写真提供して頂きました、木内兵太郎様に感謝 申しあげます。

【製作の概要】

 2002年度、常務理事会の承認、NTS運営委員会の決定をうけて、2000年同様標記事業 を実施いたしました。以下、経過、概要等のご報告申しあげます。 策定プロジェクトメンバー  蒲生 晴明  酒巻 清治   田中 俊行  杉森 弘幸  堀田 敬章  橋本 行弘  佐藤 壮一郎  藤本 元   栗山 雅倫  今年度は製作実施に際し、策定プロジェクト(メンバーは以上の通り)を発足し、議 論を重ね、「より良いものを」を合言葉に取組んでまいりました。  前回からの流れを受けて「GKトレーニング全般、CP基礎戦術能力」を取り扱うことに なりましたが、明確にテーマを掲げて「ストーリー性」のある教材作成を念頭に置くこ とに統一見解がはかられ、作業を進めました。  以下に「NTS2002テーマ」を教本から抜粋いたしました。ご参照ください。

【NTS2002テーマについて】

目指せファンタジスタ

ゲームを見据えたGood Habit(良い習慣)を獲得しよう

 NTS2002は個人・グループ戦術能力とGKトレーニングを中心としてプログラムをいた しました。  前回は、基礎技術能力、コーディネーション能力に主眼を置いて取り組みましたが、 やはりハンドボールは相手との駆け引きの中で展開されるスポーツです。  すなわち・・・

豊かな戦術能力

が競技力の良し悪しに大きく関わってきます。  もちろん、前回までに行った基礎技術能力等は大切です。しかしそれらは結局ゲーム のなかで戦略・戦術のもと発揮されるものです。ですから技術も体力もゲームを中心に 考えられるべきものです。  また、優れた個人技術を持っていて「どの場面でどのように使うか」という点でより 正しい理解があれば、なお一層効果的な能力として発揮できるでしょう。  下の図をご覧ください。
プレーヤーAが防御プレーヤーTをひきつけて、プレー ヤーBのプレーするスペースを広く作り出しています。  この局面でプレーヤーBは練習で培った突破能力を十分生かすことが出来ます。突破す るのにもいくつかの方法が考えられますが、ただし、プレーヤーBは自分が「突破するチ ャンスだ!!」という点に気づくことが前提条件になります。つまり・・・

判断できる能力

が必要になります。そうなるとトレーニングの課題として判断力を養うこと、判断しな がらプレーが出来ること −つまり戦術的な能力― が求められることは明快です。  確かに創造力の高い競技者が時折出現します。ただ、もしトレーニングで創造力豊か な競技者を作っていければ、隠れたタレントを発掘することにもつながり、日本のハン ドボールの競技力も向上するのではないでしょうか?  日本独自のハンドボールを作り上げることも急務です。と、ともに様々なゲーム構想、 戦略、戦術に対応できる競技者を作り上げることもまた待った無しです。  そこで、ベースとなる基礎戦術能力を

Good Habit(良い習慣)

として、今回の取り組みの主題とし、将来的には

“目指せファンタジスタ”

ということで、NTS2002のテーマといたします。  トレーニングの構成やトレーニングドリルは答えのすべてではありません。  あくまでもトレーニングの方向性です。皆様方のアイディアで幾重にも膨らませていた だきたく思います。